インターンシップ体験記 2021夏

当社では、7月27日から8月10日までの2週間、岩手県の事業(運営:ジョブカフェいわて)であるワーキングホリデーにて2名の学生を受け入れ、就業体験をしていただきました。

 コロナ禍で、夏の気温の高い時期ということで就業条件としては決して良くはありませんでしたが、お二人はいつも笑顔で元気に体験していただきました。

 今回の就業体験を終えて、印象に残っていることなど、お二人から体験記を寄稿いただきましたので是非ご覧ください。

行方 体験記

7月27日より2週間、菊池技研コンサルタント様でインターンシップをさせていただきました、行方と申します。

現場で技術的な業務を体験させていただける企業を探し、初めて東北へ来ました。

新型コロナウィルスの影響もあり、直前まで本当に向かえるかが不安でしたが、菊池技研コンサルタント様がお力添えいただいたおかげで無事に10日目の業務まで体験することができました。初日は10日間の就業期間がとても長い期間であると感じていましたが、菊池技研コンサルタント様での充実した体験のおかげで、あっという間に最終日を迎え、寂しさを感じています。期間の中で、様々な部署で業務を体験させていただきましたが、その中でも特に私の印象に残った仕事が、測地課と補償課での業務です。

測地課での業務は建設コンサルタント全体の業務の理解に繋がりました。

最初にお世話になった日はUAVを使用した測量の現場に同行させていただきました。日中を通して快晴で、山の中ということもあり非常に暑かったのですが、社員の方々が常に私たちの気を遣ってくださり、体調を崩すことなく楽しく業務をすることができました。業務の中で特に印象に残ったのは、高価なドローンを実際に操縦させていただいたことです。万が一落下させてしまったり、空中で見失ってしまうことを考えると恐ろしくなり、慎重に操作をせざるを得ませんでしたが、実際に自分の手元の動きがドローンに反映されて動き、高所からの景色を映した映像を見たときはとても興奮しました。

2日目は用地測量業務ということで、前回とは違い社内での公図の作成を体験させていただきました。用地測量業務は、実際に現場で作業をしたり、設計をしたりする前にどの範囲を測量するか検討をして設定する業務であり、様々な部署で仕事を請け負う前に行う、非常に重要な仕事でした。公図の作成の際は、作業をする方が実際にその目と手で図と範囲を作成するという、とても時間がかかる上に繊細な業務です。私も何度か同じミスをしてしまいましたが、担当の方が優しく何度も教えてくださったので、落ち着きながら業務ができました。

人の持つ土地を区分するという点でもとても責任のある仕事で、現場で実際に作業をするのとは違った大変な苦労があるということがわかったと同時に、仕事を行う上での順序や、自分が行っている仕事がどのようなものなのかを考える貴重な機会になりました。

補償課の業務では、建築物の野帳の作成を体験させていただきました。

 こちらの仕事は、人の土地の中の建物や物のお金に関わるという点では前述の用地測量業務と似ているのですが、大きく違う点として、実際に建物のあるその現場に行き、自分の目で採寸や様子を見定める必要があるということです。そのため、当然土地の保有者の方やその周辺の方々との会話が必要になり、本人のコミュニケーション能力が大切との事でした。野帳の作成ももちろん人の建築物を扱うという点で非常に重要な業務でしたが、人と人とのやり取りの円滑さが大切な仕事であるということが深く印象に残りました。

 実際の会社の中で働くのが初めてだったため、就業前はかなり緊張していたのですが、社員の方々はみんなとても気さくで優しく、休み時間や終業後にもたくさん声をかけてくださり、とてもリラックスしながら10日間を過ごすことができました。社内の雰囲気も暖かく、皆さんが家族のように助け合っている居心地の良い会社であると感じました。

今回のインターンシップは、私の学校など様々な組合を通しての実施だったため、こちらの要望が多く、菊池技研コンサルタント様にはたくさんのお力添えをいただき本当に感謝しております。まだまだ経験できていないことや終えられなかった業務などがたくさんありますが、菊池技研コンサルタント様では本当に充実した経験を積ませていただきました。この経験を楽しかったただの思い出にせずに、今後の自分の会社選び、進路選択の糧としていきたいです。

山崎 体験記

7月27日より、菊池技研コンサルタント様で二週間のインターンシップをさせて頂いておりました、山崎と申します。

二週間という短い期間ではありますが、菊池技研コンサルタント様では本当に密度の高い体験をさせて頂きました。その中でも、今回は地質課と設計課での業務を体験させて頂いたときのことを述べさせていただきます。

設計課では、共にインターンシップ参加中の行方と、二日間を通して大村様に大変お世話になりました。大村様は大学をご卒業後、菊池技研コンサルタント様に入社されてから二年目と私たちと歳が近いこともあり、非常に親しくさせて頂きました。大村様には、様々な質問をさせて頂くだけでなく、業務の上でもたくさん助けて頂いたのですが、大村様の専門知識の深さやCADを扱う技術にはいつも尊敬を抱いておりました。どのようなことに対しても丁寧なご回答が頂けるので、私たちが数年後に大村様と同じ立場になった時のビジョンと照らし合わせて焦りつつも、とてもいい刺激になりました。

設計課の初日には佐藤様より、設計業務全般に関してご教示いただきました。お話を聞く中で、その業務が多岐にわたっての配慮、考察、工夫が必要で、負う責任の大きさに驚きを感じつつも、佐藤様が手がけられた公園を紹介いただく際には、佐藤様が本当に楽しそうにしていらっしゃるのが印象的でした。また実際の事例と照らし合わせて、設計上の問題や責任に関してお話しいただく際には非常に真剣な、専門家の目をしていらっしゃったことに身が引き締まる思いでした。

その後、実際にCADを使った業務を経験したのですが、これは想像以上に大変な業務でした。CADの取り扱い自体が難しいものである上に、一つ一つの作業を着実に積み重ねて行くことが必要なため、かなりの集中力を要しました。しかし、設計が出来上がった時の達成感も大きく、設計者の方々がおっしゃる、自身が設計した物が実際に形と成って現れる魅力を少しだけでも理解できた気がしました。

地質課も二日間の勤務でした。地質課で印象的だったのは、業務の内容が多岐にわたるのと、ある意味実験的な要素が多くあることです。地質課でも、大変さと楽しさの両方がある、非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。

一日目は前日を通して中山様にご指導を賜りました。中山様は業務外の時間においても私たちとたくさんお話しして頂きました。多岐に渡り地質業務のことに関して教えて頂いただけではなく、大船渡や岩手のことについて本当にたくさんのことを教えて頂きました。業務に関しては大変なこともありましたが、中山様のおかげでとても安心して業務に臨むことができました。

一日目の午前中は地面の強度実験の場に連れて行って頂きました。暑さも厳しいうえに、地中の状態と作業の状況によっては危険が伴うとのことで、行方とともに緊張しながら向かったのですが、現場の皆様にはたくさんのお気遣いを頂き、現場でもたくさんの業務を経験させていただきました。実際に機材等も扱わせていただいたことで、現場で集中して業務にあたることの大切さを身に染みて理解することができました。

午後は、サウンディング試験の体験をさせて頂きました。地中の掘削を行うとのことでこちらの体験も機材の危険性に戸惑ったのですが、実際に掘り進めた深さの記録を皆さんと分かち合い、非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。

二日目はボーリングの結果を紺野様と鎌田様と共に観察し、解析するという業務にあたりました。特に、紺野様と鎌田様は地質全般に対して本当に深い見識をお持ちで、専門家であるお二人から様々なことを伺う時間は、本当に面白く、充実した時間でした。また、私が個人的に思い描く将来像として、自分の専門分野を持ちたいと考えているのもあり、お二人のお話や、お話をされている態度、どんな質問にもたくさんの知識や経験で返してくださる様子を見て、大きな刺激を受け、なりたい専門家像をより鮮明にすることができました。ボーリングの観察においても、細かい点を見分け、見るだけではなく触覚も大切にしながら進めていく作業一つ一つが楽しく、興味深いものでした。午後に解析やデータ作成をした際には自分たちの観察が結果として形になる喜びを感じることができました。

地質業務は、建物や構築物が成り立つうえでの根本であるため、緻密に、根気強く調査をすることが大切なのであると学びました。

地質課と設計課で過ごした四日間はハードでもありましたが、非常に楽しく、興味深い時間でした。また、皆様の優しさのおかげで、今回のインターンシップは単に体験をするだけのものではなく、自分のなりたい将来像に関して具体的に考えるきっかけになりました。

実際に皆様に交じって会社の中で働かせて頂くことで、自分たちの努力が形となって現れる喜びを知っただけでなく、地域をつくり、守る仕事にかける皆さんの熱意を体感し、身の回りに対する見方を変えることができました。

菊池技研コンサルタントの皆様におかれましては、大変ご多忙の中にも関わらず、ご自身の時間や専門知識をも共有してくださり、誠にありがとうございました。

今回のインターンシップの経験を単なる経験で終わらせないように、今後も研鑽を重ねていきたいと思います。

担当者より

今回の体験を機に、職業観や倫理観を考えるきっかけとなっていただければ大変うれしく思っております。私たちも大変勉強になりました。

就業体験に来ていただき、ありがとうございました。